2022.01.25 06:12マリヴォー『恋のサプライズ2』三幕の喜劇 解説と翻訳台本『恋のサプライズ2』は1727年に初演されたマリヴォーの3幕喜劇です。『恋の サプライズ2』となっているのは、この前に『恋のサプライズ』というのがすでにあ って、そのセカンド・バージョンという意味です。タイトルの「恋のサプライズ」は 原文では la Surprise de l’amour で、「恋の不意打ち」と訳されてもいます が、フランス古典劇の「現代語訳」を試みる mikispace としては、あえ て「サプライズ」という言葉で「不意打ち」を狙いました。 さて『恋のサプライズ2』のお話は・・・ 侯爵夫人は最愛の夫を喪ったばかり。シュヴァリエも愛する人を失ったところ。二人 と...
2022.01.24 12:33マリヴォー『奴隷の島』一幕の喜劇 解説と翻訳台本マリヴォーは18世紀フランスの喜劇作家です。小説家でもあります。 1688年に生まれていますから、正確には、17世紀に生まれ、12歳のときに新 世紀をむかえた人、という計算になりますが、まあ、18世紀前半の作家と考えれば、 とりあえずは整理しやすいでしょうか・・・亡くなったのは1763年です。 マリヴォーの『奴隷の島』は一幕ものの喜劇です。 アテネの青年貴族イフィクラテスとその奴隷(従僕)アルレッキーノは、船旅の途中 で嵐に遭遇し、ある島に漂着します。その島の名は「奴隷の島」。かつてアテネの奴 隷だった者たちが反乱を起こし、アテネを逃れてたどり着いたのがこの島。彼らはこ こに新しい国をつくったのですが、この国のルールがちょっと変わっている。島...
2022.01.24 08:08マリヴォー『コロニー』一幕の喜劇 解説と翻訳台本『コロニー』は短い一幕の喜劇です。『奴隷の島』と同じく「島もの」ですが、「女 たちの反乱」というテーマが微妙に「現代的」で、芝居の作りも、シンプルかつスト レート。いますぐさらっと舞台にかけて、けっこう受けるような気がします。 話はというと・・・ 時は現代(マリヴォーの時代)、ある国の住民(フランス人?)が、外国の侵略を受 け、祖国を捨てて逃げ出します。逃げた先は広大な海洋。船を連ねて、新しい土地を 目指しました。18世紀といえば、フランスとイギリスが植民地でしのぎを削ってい た時代。芝居のタイトル「コロニー」は、もちろん、植民地とか入植地という意味の コロニーです。やがて、彼らはある島にたどり着き、そこで新しい国づくりを始めま す。ところが・・・ そ...